2010'06.03.Thu
「あの吸血鬼は私が忘れた心を持っている。外の世界の人間も忘れつつある感覚。
そして式神に至っては、効率を最優先するためにその感情を良しとしない。
・・・苦労を楽しもうとする余裕の心である。」
(小説版儚月抄 第五話 「果てしなく低い地上から」より)
儚月抄において湖面に映る月の境界を操作し、月に攻め込もうとする紫。
しかしレミリアはそれを断り、外の世界のロケットを作り、紫に頼ることなく自らの力で
月へ向かおうとします。
原料が見つからず難航するロケット開発。紅魔館の面々は試行錯誤を繰り返しながら開発を進めます。
「―見窄らしいロケットで、惨めな思いをして旅するから楽しいのだと。
最短の方法で楽して手に入れた物にはなんの価値もないと。」
このあたりの価値観は、「ぶらり廃駅下車の旅」という紫のスペルにも通じる物があると思います。
効率を求める式神の思考とは相反する思想。
もっと楽に月に行く方法はいくらでもあるのに、実行しない紅魔館勢を藍は理解できません。
「人間も妖怪も長く生きているとその心は失われていく物である。
だが吸血鬼たちにはその心が強く残っている。」
紫と藍のたどり着いた月は、いつも賑やかな幻想郷では考えられないくらい静かでした。
月の都の落ち着いた繁栄は、衰退の証か、高貴な文明を築いた極楽浄土であるのか。
「どちらにしても私は嫌である。私には都会の喧噪が必要なのだ」 と紫は締めくくります。
長く続くにつれて、妖怪も、文明さえも落ち着いていきます。
紫は自身にその自覚があるからこそ、吸血鬼の喧噪が羨ましいし、大切な物だとわかる、
そういったシーンなのかなと自分は解釈しました。
そう言う意味では、レミリアは成長が(いい意味で)見られないキャラかな、と思います。
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